「証券口座なんて、一つあれば十分だろう」
かつての僕も、そう思っていた。
SBI証券に口座を開いて、VTを買って、NISAも始めて、「これで十分」と満足していた。
でも、気がつくと今では4つの証券口座を使い分けている。
今日は、そんな僕の実体験から導き出した「複数口座開設のすすめ」についてお話ししたい。
まだ証券口座を持っていない方にも、すでに一つ持っている方にも、読んでもらえるとうれしい。
なぜ、複数口座が必要になるのか?
結論から言えば、資産運用を「柔軟に・戦略的に」行うには、複数口座が有利だと考えるからだ。
理由は主に3つある。
① 購入できる商品が違う
投資信託や特に米国株など、証券会社ごとに購入できる商品が異なる場合がある。
複数口座を持てば、投資機会の損失をなるべく防ぐことができる。
② 手数料やサービスの差
買付手数料や為替スプレッドが異なる。
また楽天証券では楽天ポイントを使用することが可能など、サービスの面でも証券会社ごとに特色がある。
使い分けることで実質的なコストを抑えられるし、普段の生活で使っているサービスを利用することができる。
③ リスク分散とトラブル対策
一つの口座に資産を集中させていると、万が一のトラブルに対応できない。
証券会社の場合、預けたお金は分別管理されているから、仮に会社が破綻したとしても財産に影響は及ばないことになっている。
とはいえ世の中何が起きるかわからない。
また最近話題にもなっている乗っ取りや凍結・ログイン不能など機能面でのトラブルが起きた時のヘッジもしておきたい。
複数口座を持っておくことで、いざというときの回避力が上がる。
「口座は1つ」の落とし穴
実際、僕が一口座だけで運用していた頃、こんな問題にぶつかったことがある。
- 買いたい銘柄の取り扱いがなく買えなかった(例えばマネックスにはあるけれどSBIにはない)
- コストが思いのほかかかっていることに気づいた(特に国内株)
- 欧州株にユーロ建てで投資してみたい
つまり、「なんとなく便利そう」で開いた一口座に資産を全部詰め込んでしまったことで、機会損失が発生していたのだ。
口座をどう使い分ける?僕の実例
僕自身は4つの口座を以下のように使い分けている。
- SBI証券:米国株とNISA、iDeCo中心
- 楽天証券:国内ETFに投資
- マネックス証券:ほぼ投資信託専用、米国株で珍しい銘柄の取り扱いがあったりも。
- サクソバンク証券:欧州株にユーロで投資。
ポイントは、「目的別」に分けること。
これはまさに、ポートフォリオ全体を「口座」という単位で整理する感覚でもある。
未開設の人へ。最初の1口座を選ぶなら?
「複数口座」と言われても、まだ一つも作っていない人には不安もあると思う。
そんなときは、「使いやすさ」「積立のしやすさ」「取扱商品の広さ」を基準に選ぼう。
▶ SBI証券:外国株に強く、NISAとの相性も抜群。米国株を中心に投資したいなら間違いなし。
▶ 楽天証券:楽天ポイントとの連携が魅力。日常生活と連動した積立が可能。
迷ったらこの2社からスタートするのが王道だ。
口座を「面倒」じゃなく、「味方」にする

複数の口座を持つことは、管理が煩雑になると敬遠されがちだ。
でも、しっかり「目的」を持って口座を設計すれば、それはむしろ戦略的な武器になる。
- 商品によって使い分ける
- サービスの強みを活かす
- 万が一に備える
例えて言えば、複数の引き出しを持つようなもの。
未来の自分の資産運用を、整理しつつももっと柔軟に、もっと強く。
そのツールとしての「複数口座」なのではないかと思う。