「VTIという名前をよく聞くけど、今ひとつなんのことだかよくわからない・・・」
管理人もそうでした。
VOOとかVTIとかVTとか・・・どれがどれだかよく分からず、とりあえずVOO買ってみるか。
投資を始めた当初はそんな感じだったのです。
この記事では、全米の株式全体に投資するETFである「VTI」について解説します。
VTIについて知りたい方、投資先として検討している方の参考にしていただければ幸いです!
(記事内のデータ数値は2024年1月時点でのものです)
VTIの概要
VTIとはアメリカのバンガード社が運営するETFで、正式名称は「バンガード・トータル・ストック・マーケット・ETF(Vanguard Total Stock Market ETF)」です。
VTIという名称は、そのティッカーシンボルです。
指標としているインデックスはCRSP USトータル・マーケット・インデックスで、このインデックスは米国株式市場に上場する投資可能な銘柄のほぼ100%をカバーしています。
つまり一言で言うと、VTIは「全米株式市場全体に投資する」ETFなのです。
VTIの組入銘柄は大型株から中型・小型株までの3,750です(指標は3,687)。
経費率は年率0.03%です。
組入銘柄の上位10社と全体に対する割合を見てみましょう。
銘柄 | 割合 |
---|---|
マイクロソフト | 6.28% |
アップル | 5.79% |
エヌビディア | 3.07% |
アマゾン | 3.07% |
メタ | 1.84% |
アルファベット A | 1.76% |
アルファベット C | 1.47% |
バークシャー・ハサウェイ | 1.45% |
イーライ・リリー | 1.17% |
ブロードコム | 1.11% |
VTIのメリット
さてVTIにはどんなメリット(どんないいこと)があるのでしょうか。
VTIというETFの特徴の特徴という点から解説します。
市場平均のリターンを目指すことができる
VTIは大型株から中型・小型株まで、アメリカ株式全体に投資するETFです。
個別銘柄への投資では見逃すかもしれない成長機会を捉えることができ、またアメリカ市場平均のリターンを得ることができると考えられます。
リスク分散
3,750社以上の多様な産業やセクターにわたる銘柄を含むことで、自動的にポートフォリオの多様化が図られ、リスク分散が可能です。
低コスト
VTIの信託報酬は年率0.03%と、パッシブ・インデックスファンドの中でも低い水準です。
運用コストが低いということは、長期的な投資を考えた場合大きなメリットとなります。
VTIのデメリット
一方で、VTIには以下のようなデメリットも考えられます。
市場リスク
VTIは米国株式市場全体に投資するため、市場全体が下落すると、VTIの価値も下がります。
また、大型株に比べて価格の上下動が激しい中型・小型株を含みますので、短期的な価格変動に対するリスクも考えられます。
多様化の限界
いうまでもなく VTIは米国株式市場に限定されています。
そのため、全体的な投資ポートフォリオにおいて地域的な分散が不十分になってしまいます。
特定企業やセクターへの偏り
VTIは時価総額加重平均型のため、特定のセクターや大企業にウェイトが過度に偏ってしまう可能性があります。
パッシブ運用による限界
VTIは市場のインデックスに基づいて運用されます。
そのため、市場を上回るリターンを目指すアクティブ運用戦略を取ることができません。
為替コスト
VTIは日本の証券会社でも販売していますが、購入には米ドルが必要です。
当然ながら為替変動の影響を受けます。
また、円をドルに、またはドルを円に換金する際のコストを考慮する必要があります。
VTIの特徴を活かすための投資方法
長期投資を心がける
VTIはアメリカ経済全体の成長の恩恵を捉えるように設計されたETFです。
下のグラフは2010年を起点とし、現時点(2024年1月)までのVTIとS&P500(SPX)のパフォーマンスを比較したものです。
短期的には大きな変動がありますが、長期的には成長傾向にあります。
市場の一時的な下落に動じず、長期的な成長を信じて投資を続けることが大切といえます。
分散投資を心がける
全米株式インデックスへの投資だけでなく、他の資産クラス(債券、不動産、金など)への分散投資も検討しましょう。
これにより、さらなるリスクの分散が可能となり、市場の変動に強いポートフォリオを構築できます。
定期的な再投資で複利効果を活用する
配当金や利益を再投資することで、複利の効果を最大限に活用できます。
時間とともに小さな利益が積み重なり、長期的な資産の成長に大きく寄与します。
ドルコスト平均法を用いる
市場のタイミングを読むのは難しいため、定期的に長期にわたって一定額を投資する「ドルコスト平均法」を用いることで、市場の上下動に左右されずに投資を続けることができます。
VTIは長期で資産形成を目指すには魅力的な選択肢
VTIへの投資は、リスク分散、低コスト、市場平均のリターンを目指すという点から見ると、非常に魅力的な選択肢です。
そして、その利点を最大限に活用するには、長期的にコツコツと積み立て投資をすることが大切になってくるのではないかと思います。
定期的に粛々と積立投資をする、これがVTIに投資する上での最適解だと思います!