新NISAの開始もあって、あらためて米国株、とりわけS&P500指数に注目が集まっています。
この記事では、S&P500指数に投資するETF(上場投資信託)であるVOOの概要、投資をする際のメリットとデメリット、またおすすめする投資スタイルについて解説します。
VOOに投資してみたいんだけど、果たしてどうなんだろう・・・?と検討中の方の参考にしていただければと思います。
(この記事のデータ等は2024年3月時点でのものです)
- VOOはアメリカのS&P500指数に投資するETF(上場投資信託)です。
- 低コスト(=経費率が低い)で運営されています。
- 長期投資に適しています。
経費率が低いVOOで、長期で粛々と積立投資。これが正しいVOOの使い方だと思います!
VOOの概要
VOO(Vanguard S&P 500 ETF)は、米国バンガード社が提供するETF(上場投資信託)で、上場は2010年。
アメリカの代表的な株式指数であるS&P500をベンチマークとしています。
S&P500指数は、アメリカ経済を代表する大型株500社で構成されており、VOOはこれら500社(2024年3月時点では503社)の株式に実際に投資することで、指数とほぼ同じリターンを得ることを目標としています。
分散投資の考えに基づき、単一の企業や業界に依存するリスクを軽減しつつ、アメリカ経済全体の成長に参加することができるETFだと言えるでしょう。
VOOの組み入れ銘柄
VOOの組み入れ銘柄、上位10社をその組入比率とともに挙げてみます。
日本でも今や普段の生活に欠かせないような、お馴染みの銘柄がずらりと並びます。
ティッカーシンボル | 企業名 | 組入比率(%) |
---|---|---|
MSFT | マイクロソフト | 7.23 |
AAPL | アップル | 6.60 |
NVDA | エヌビディア | 3.72 |
AMZN | アマゾン | 3.45 |
META | メタ | 2.12 |
GOOGL | アルファベットA | 2.03 |
GOOG | アルファベットC | 1.73 |
BRK-B | バークシャーハサウェイB | 1.71 |
TSLA | テスラ | 1.27 |
AVGO | ブロードコム | 1.27 |
VOOのセクター比率
次にセクター別の組入比率を見てみましょう。
セクター | 組入比率(%) |
---|---|
情報技術 | 29.5 |
ヘルスケア | 12.8 |
金融 | 13.1 |
一般消費財 | 10.3 |
コミュニケーションサービス | 8.9 |
資本財 | 8.6 |
生活必需品 | 6.1 |
エネルギー | 3.8 |
不動産 | 2.4 |
素材 | 2.3 |
公益事業 | 2.2 |
VOOの経費率と配当
VOOの経費率は年率0.03%です。
これは米国株のETFの中でも最低の水準となっています。
また複利効果を考える場合、配当のことも考慮に入れる必要があります。
以下にVOOの直近の配当額の推移をまとめます。
権利確定 | 一株あたりの配当額 |
---|---|
2023年12月 | $1.8011 |
2023年9月 | $1.4925 |
2023年6月 | $1.5762 |
2023年3月 | $1.4874 |
VOOに投資するメリット
それではVOOに投資するメリットを挙げながら、その特徴をさらに詳しく解説します。
①低コスト
バンガード社が提供する他のETFの例に漏れず、VOOは極めて低い運用コストが特徴です(年率0.03%)。
低い経費率により、投資家は運用コストを最小限に抑えつつ長期投資をすることで、S&P500指数のリターンの恩恵を期待することができます。
②高い流動性
VOOはニューヨーク証券取引所に上場されており、日中の市場時間内での売買が可能です。
後述するように、VOOは長期投資が適していますが、短期でポジションの調整をしたいという時には、市場の動向に応じて柔軟な対応(売買)をすることが十分可能な流動性を持っています。
③分散効果
VOOは500社にわたる幅広いセクターをカバーしています。
そのため個々の企業や業界の不振が全体のパフォーマンスに与える影響を軽減でき、分散効果がある、と考えられます。
④米国市場に容易に投資できる
VOOに投資することで、小額からでもアメリカの大型株全体に簡単に投資できます。
米国の株式市場に投資したい多くの個人投資家にとって魅力的な選択肢と言えるでしょう。
VOOに投資するデメリット
一方で、VOOのデメリットについても見ていきましょう。
①市場リスク
VOOのパフォーマンスはS&P500指数に連動するため、米国市場全体の下落時にはその影響を受けます。
S&P500指数は米国経済を代表する指数ですので、経済全体に影響を与えるようなイベントが起きた場合は、VOOのパフォーマンスにも直接影響を及ぼす可能性があります。
②成長株の機会を逃す可能性も
S&P500指数は大型株を中心に構成されています。
そのため、中型・小型株の企業の成長の恩恵を直接的に受けることは難しいかもしれません。
③為替リスク
VOOは日本の証券会社でも購入できますが、その際はドルが必要となります。
そのため、為替相場の変動によるリスクを考慮する必要があります。
VOOへのおすすめ投資スタイル
これまで見てきたように、VOOは分散投資を通じてリスクを管理しつつ、アメリカ経済の成長を捉えたいと考える方には、魅力的な投資先だと言えるでしょう。
つまり、VOOは長期で資産形成を目指す個人投資家に適した選択肢だと考えられます。
そうであれば、VOOに投資する場合は、積極的な取引や短期間での大きな利益を目指すよりも、長期的な視点を持つことが重要となってきます。
VOOは長期投資に適している
バンガード社のETFの特徴として、長期投資という考えに基づいた低コスト運用が挙げられます。
VOOもその例に漏れず、低コスト。
それに加えて分散効果もあり、長期で資産形成を目指す投資家に適していると言えるでしょう。
またVOOは配当が出ますので、時間を味方につけることで市場の変動を乗り越えながら、また複利効果を最大限に活かすことができます。
VOOには定期的な投資(ドルコスト平均法)がおすすめ
積み立て投資や定期的な投資を行うことで、マーケットタイミングを気にせずに投資を続けることができます。
定期的に一定の金額を投資し続ける、いわゆる「ドルコスト平均法」を用いることで、長期的に市場の平均的な成績を目指すことが可能になります。
他のアセットへの分散投資も
VOOは500社の大型株に投資しているため、一つの企業や業界に依存するリスクが低減されていると言えます。
しかし、債券やコモディティ等他の資産クラスや、米国以外の地域への投資と組み合わせることで、より効果的な分散投資戦略をすることができます。
初心者から上級者までVOOはおすすめ
VOOはシンプルで理解しやすい投資商品であるため、投資の初心者からベテランまで、投資経験に関係なく幅広い層にとって魅力的な選択肢だと言えます。
長期的な米国市場の成長を捉えたい、低コストでの投資を求める人に特におすすめと言えます。
主要ネット証券でも、VOOの購入手数料を無料にするなど、誰にでも比較的容易に投資できるETFとなっています。
経費率が低いVOOで、長期で粛々と積立投資。
これが正しいVOOの使い方だと思います!