あまり馴染みのない国、ポーランド。
でも、僕はある日、EPOLというETFをポチっていた。
それまでは「ポーランドって、ヨーロッパのどこ?」というレベルの知識だったはずなのに。
理由ははっきりしている。
最近の僕は、「何となく安心できる国」に飽きていたのだ。
ポーランド経済の魅力と潜在力
ポーランドは、実はEUの中でも安定的に経済成長を続けている国だ。
2023年のGDP成長率はおよそ3.0%。製造業の強さと、戦略的な地理が武器になっている。
主な産業
- 自動車部品の製造拠点(欧州のサプライチェーンに組み込まれている)
- 機械・設備輸出(高品質で国際競争力あり)
- 食品加工(農業国としての土台が強い)
- IT・アウトソーシング(教育水準の高さと賃金バランス)
物流ハブ、そして優秀な人材。
ポーランドは、決して「地味な国」ではない。
EPOLというETFについて
そんなポーランド経済をまるごと取り込むのが、EPOL(iShares MSCI Poland ETF)というETFだ。
運用はBlackRockのiShares。
指数であるMSCI ポーランド IMI 25/50に連動し、大中小型株を広くカバーしている。
EPOLの基本情報(2024年現在)
- 費用率:0.58%
- 主なセクター:金融・エネルギー・素材
- 取引市場:NYSE Arca
- 分配金利回り:やや高め
金融やエネルギーなど、欧州内需や資源に関わる企業が多いのも特徴だ。

ポーランドの強みと、気になる点
ポーランド経済の強み
- 地政学的ポジション(西欧と東欧の間)
- EU加盟国としての安定性
- 教育水準の高い労働力
- 拡大する中産階級
ポーランド経済の課題
- エネルギー依存(石炭からの脱却が必要)
- 人口減少(労働力の先細り)
- ウクライナ戦争などの地政学リスク
- 地方インフラの発展に課題あり
特にロシア・ウクライナ戦争の影響で、ポーランドはNATOの東の前線としても注目される国になっている。
安全保障とエネルギー輸送の要衝としての役割は今後ますます重要になるはずだ。
新興国的な側面と、先進国的な制度が共存している。
だからこそ、おもしろい。
VTとEPOLの「味付け」の違い
VT(全世界株式ETF)と比べると、EPOLはややボラティリティが高い。
でも、その分リターンも伸びやすい局面がある。
実際、過去5年のパフォーマンスを比べると、VTが安定している一方、EPOLは上振れ・下振れの波が大きい。
EPOLに向いているのは
- 世界分散の中に「スパイス」を入れたい人
- EU経済に中長期で興味がある人
- 地政学的に「ヨーロッパの東」に注目している人

とはいえ、「ポーランドはちょっと怖いかも・・・」というあなたへ
そう思うのも自然だと思う。
だからこそ、まずは全世界株式(VTなど)をベースにしておくのが基本。
コアサテライト戦法で、コアの部分をVTに。
その上で「次の一手(=サテライト)」としてポーランドを検討するのは、意外と理にかなっている。
僕自身、投資してからポーランドに関心を持つようになった。
ニュースで地名が出るたび、チャートの動きがちょっと気になる。
そんな風に、投資先が自分の中の「風景」の一部になる感覚が、けっこう気に入っている。

どこで買えるの?という方へ
EPOLは、米国ETFに対応しているネット証券で購入可能です。
特に楽天証券やSBI証券では、為替手数料や情報面でも使いやすく、初心者にもおすすめ。
※米国ETFなので、買付にはドルが必要になります。
円からの両替方法や手数料については、各証券会社のガイドが参考になります。
最後に
知名度は低いかもしれない。
しかし、EPOLは、密かに筋肉質なETFだ。
派手さはない。
でも、着実に自分のポートフォリオに「知らない可能性」を運んできてくれる。
投資って、そういう好奇心と親密さの積み重ねかもしれない。
新しい国のニュースに目を留め、この国についてもっと知りたい!と思うようになった時、それは投資じゃなく、「旅の始まり」なのかもしれない。