米国株への投資を始めるなら、まず候補に上がるのがVOOとVTIではないでしょうか。
同時に、この二つのETFのどちらに投資するのがいいのか迷っている方も多いと思います。
私は「どちらでも良い!」と思います。
どちらでも良いので、定時定額の積立投資を始めるのが良いと思います。
それではその理由を解説していきましょう。
この記事ではVOOとVTIの特徴や、それぞれどのような投資スタイルが適しているのか、またリスク管理についても解説します。
VOOとVTIのどちらに投資すれば良いか迷っている方、ご自身に合ったETFを選ぶヒントになれば幸いです!
この記事のポイント
- 安定した大型企業への投資を求めるならVOO、市場全体への分散投資と成長機会を追求したいならVTI
- 二つを組み合わせることにより、それぞれのメリットを受けながらより強固なポートフォリオを構築することも可能
私もVOO、VTI両方に投資しています!
VOOの概要
VOO(バンガード S&P500 ETF)は、米国の代表的な株価指数であるS&P500指数に連動するパフォーマンスを目指しています。
S&P500はアメリカの大手企業500社の株式で構成されており、その組入銘柄の時価総額は米国株式市場全体の約75%を占めています。
大型企業中心のポートフォリオ、それがVOOです。
VTIの概要
VTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)は、CRSP USトータルマーケット指数に連動するパフォーマンスを目指すETFです。
この指数は、小型株から大型株まで米国に上場する幅広い企業をカバーしており、組み入れ銘柄は3,747に及びます。
アメリカ株式市場全体のパフォーマンスを反映するように設計されているのがVTIです。
VOO、VTIの経費率と配当利回り
バンガード社のETFの大きな特徴の一つが、低コストであること。
VOOとVTIもその例に漏れず、経費率は低いです。
また両ETFとも、配当金が得られます。
配当金を再投資することで複利効果が得られますので、長期投資を検討しているのであれば経費率とともに考慮に入れたい検討材料です。
ティッカー | 経費率 | 配当利回り |
---|---|---|
VOO | 0.03% | 約1.39% |
VTI | 0.03% | 約1.38% |
VOO、VTIのパフォーマンスの違い
VOOとVTIは長期的には似たようなパフォーマンスを示しますが、短期的には市場の動きによって差が出ることがあります。
下の図はVTIが上場してから現在までの期間のパフォーマンスを、VOOと比較したものです。
次に過去1年間の比較です。
VOO、VTIのメリット・デメリット
次にVOOとVTIのメリット・デメリットをまとめてみましょう。
これを踏まえて、次のセクションでリスク管理について解説します。
VOOのメリット
- 米国大型企業を中心に投資できるため、安定性がある。
- 長期的に高いリターンが期待できる。
- 米国経済の主要セクターを反映している。
VOOのデメリット
- 大型株中心のため、小型株や成長株の機会を逃す可能性がある。
- 一部のセクターに偏る可能性がある。
- 指数に連動するため、市場の平均を上回るようなリターンは期待できない。
VTIのメリット
- 米国市場全体に投資できるため、分散効果が高い。
- 小型株や中型株の成長機会を捉えることができる。
- 長期的な成長ポテンシャルが高い。
VTIのデメリット
- 小型株や中型株を含むため、ボラティリティが高くなることが考えられる。
- 組入銘柄が多数に及ぶため、個々の企業の影響が薄れる。
VOO、VTIのリスク管理
これまで見てきたように、VOOの投資対象は大型企業に集中、一方VTIはより広範な市場に投資しています。
この点を考慮すると、一般的にVOOは大型企業中心のため安定性が高いと考えられます。
一方VTIは、ボラティリティが高い傾向がある小型株を含むため、VOOよりも価格変動のリスクが高くなる可能性があると考えられます。
しかし、同時に小型株はリターンも大きいため、中長期的に見るとVTIの方が高いリターンを期待することができる、とも言えます。
これらの点を踏まえながら、VOOとVTIのリスク管理について解説します。
VOOのリスクヘッジとしてのメリット
大企業の安定性
VOOの投資対象は、大手企業500社です。
これらの企業は一般的に財務が健全で、経済全体の変動に対する耐性が高いため、市場の不確実性が高い時期でも比較的安定したマイルドなパフォーマンスが期待できます。
つまり、VOOは大企業に集中投資することで、経済全体の上下動というリスクをヘッジすると考えられます。
VTIのリスクヘッジとしてのメリット
分散効果
VTIは、米国株式市場に上場する3,500以上の銘柄を投資対象としています。
この広範な分散は、特定の企業やセクターが直面するリスクの影響を軽減し、市場全体の変動による影響を和らげる効果があります。
つまり、VTIは市場の広範囲にわたる分散を通じてリスクヘッジを提供します。
小型株と大型株のバランス
VTIは様々な規模の企業を組み入れていることから、小型株の成長機会と大型株の安定性の両方を得ることができます。
これにより、一方のセグメントが下落した場合でも、他方がパフォーマンスを支える可能性があり、全体としてのリスクヘッジに貢献していると考えられます。
リスクヘッジの相互補完
このようにVOOとVTIは、それぞれの独自のメリットが、投資ポートフォリオにおけるリスクヘッジという点において、互いに補完的な役割を果たしていると考えることもできるのです。
VOOは大企業への投資を通じて安定性を、VTIは市場全体への広範な分散を通じてリスクを分散することが可能です。
さらには、これらのETFを組み合わせることで、市場の不確実性に対するより強固なポートフォリオを構築することが可能だと考えられます。
VOO、VTIに向いている投資スタイル
それではこれまで見てきた両ETFの特徴を踏まえて、それぞれどのような投資スタイルに向いているかまとめてみましょう。
VOOはどのような投資スタイルに向いているか?
- 安定した大型企業への投資を通じて、リスクを抑えた長期的な資産形成を目指す方
- 短期的な価格変動を抑えたい方
VTIはどのような投資スタイルに向いているか?
- 米国市場全体への幅広い分散投資を求める方
- 成長機会を捉えたい方、特に中型株や小型株に関心がある方
- 長期的な視点での投資を考えている方
VOOとVTIで強固なポートフォリオを!
VOOとVTIはそれぞれ独自のメリットがありますので、投資目的やリスク許容度に応じて投資対象を選択することが重要です。
安定した大型企業への投資を求めるならVOO、市場全体への分散投資と成長機会を追求したいならVTIが適しています。
またこの二つを組み合わせることにより、それぞれのメリットを受けながらより強固なポートフォリオを構築することが可能だとも考えられるでしょう。
そしてどちらのETFに投資するにせよ、コツコツと定時定額による長期積立投資をしていくことが大切ではないかと思います。
ネット証券によってはVOO、VTIの買付手数料を無料にしているところもあり、個人投資家にとっても検討しやすいETFとなりました。
自分の投資戦略に合わせて、理想的なポートフォリオを構築しましょう!
もし証券口座をまだ開いていないという方がいらっしゃったら、こちらの記事も参考にしてみてください。