【全世界株式インデックスETF】VTとはなにか?【深掘り】

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VTとはなにか

VT(Vanguard Total World Stock ETF)は、世界各国の市場に投資することでリスク分散を図るETF(上場投資信託)です。

低い経費率で、長期的な資産成長を目指す投資家にとって適した選択肢といえます。

この記事では、VTについて解説します。

VTについてよく知りたい方や投資先として検討している方の参考しにていただければと思います!

(記事中のデータ数値は2024年2月時点でのものです)

VTとはバンガード社が提供する世界の株式市場に投資するETF(上場投資信託)。

分散投資、長期投資を重視する投資家におすすめ。

目次

VTの概要

VTとはアメリカのバンガード社が運営するETF(上場投資信託)で、正式名称は「バンガード・トータル・ワールド・ストック・ETF(Vanguard Total World Stock ETF)」です。

VTとはそのティッカーシンボルです。

VTは、世界の株式市場を広範囲にわたってカバーするETFです。

ベンチマークには「FTSE・グローバル・オール・キャップ・インデックス(FTSE Global All Cap Index)」を採用しています。

この指標は、先進国および新興市場の両方における大型〜中・小型までを含む、全世界の株式市場を組み入れています。

VTの組み入れ銘柄は9,767です(指標は10,069)。

経費率は0.07%です。

ベンチマークであるFTSE・グローバル・オール・キャップ・インデックスについては、こちらの記事にまとめていますので参考にしてください。

VTのメリット

それでは具体的に、まずはVTの主なメリットについて解説していきましょう。

①リスク分散効果

VTは、世界中の約9,000以上の株式を投資対象としています。

先進国だけでなく新興市場も含むことから、全世界の経済成長から恩恵を受けることができると考えられます。

またこれにより、単一国や特定のセクターに依存するリスクが軽減され、経済や地政学的な変動がポートフォリオに与える影響が分散されます。

こうしたアセットクラスや地域の分散は、特に長期的な投資戦略において重要な要素です。

②低コスト

バンガード社は低コスト投資の代名詞とも言えるファンドであり、VTもその例外ではありません。

経費率(Expense Ratio)が非常に低く設定されており(0.07%)、余計な費用がかからない分、投資家はより多くのリターンを手元に残すことができると言えます。

低いコストは、特に長期的な投資成果において、複利の効果と相まって大きな差を生み出します。

③長期的なパフォーマンス

VTは、世界経済の成長を背景に長期的な上昇を目指しています。

過去のパフォーマンスが将来の結果を保証するものではありませんが、VTは時間をかけて資産形成をするには適していると考えられます。

下の図は2008年6月に上場してから現時点(2024年2月)までのVTの値動きです。

VTのパフォーマンス
(単位:ドル、出典:Google Finance)

VTのデメリット

メリットがある一方で、デメリットも考慮に入れなければなりません。

次にVTのデメリットについて解説します。

①市場リスクがある

VTは世界の株式市場に投資するため、常にグローバルな市場リスクに晒されていると言えます。

世界的な経済危機や地政学的な緊張が高まりにより、VTのパフォーマンスが影響を受ける可能性があります。

また、新興市場の不安定性は特にリスクが高く、短期的な株価の変動を引き起こす可能性があります。

②通貨リスクがある

VTに含まれる投資対象は多くの異なる通貨で行われているため、通貨リスクも考慮する必要があります。

通貨価値の変動は、特に短期間でのパフォーマンスに影響を及ぼす可能性があります。

③パッシブファンド特有のデメリット

VTはインデックスファンドであり、市場を上回るリターンを目指すアクティブ運用戦略を取ることができません。

またこのことは、市場が急落した場合にポートフォリオを守ることがアクティブ運用に比べて難しい、と考えることもできます。

④分散投資の限界

VTは非常に広範な分散投資がなされそのメリットを受けることができますが、もちろんすべてのリスクを排除するわけではありません。

特定のセクターや地域が下落すると、その影響を受けることがあることも考慮に入れる必要があるでしょう。

また、過度な分散が高リターンを出す機会を減少させる可能性も考えられます。

下の図は2008年6月に上場したVT(青線)と、2010年9月に上場したS&P500に連動するETF「VOO」(黄線)の、現時点までのパフォーマンスを比較したものです。

VTは約112%の上昇、一方でVOOは約350%上昇しています。

VTとVOOの比較
(出典:Google Finance)

VTに適した投資方法

VTの特徴やメリット・デメリットについて見てきたところで、次にVTのような全世界をカバーするETFに適していると一般的に認識されている投資アプローチをいくつか紹介します。

長期投資

市場の短期的な変動を気にせず、10年、20年、30年といった長期的な成長を目指すスタイルです。

VTは世界の株式市場に広く分散投資しており、経済成長に伴う長期的な利益を得ようとする設計になっています。

長期投資をすることで、市場の短期的なボラティリティによる影響を軽減し、複利の効果を最大化することができると考えられます

長期投資にはドルコスト平均法を用いる

ドルコスト平均法とは、市場価格の変動にかかわらず、「一定額を長期にわたって定期的に投資」し続ける方法です。

これにより、長期的には平均購入コストを抑えることができます。

他の資産への分散投資

VTへの投資を他の資産クラス、例えば債券やコモディティ等と組み合わせることで、リスクを分散し、ポートフォリオの全体的なリスクを管理できます。

VTは世界中の多様な株式に投資しており、それだけでも分散が効いていると考えられますが、債券、不動産、現金など他の資産クラスとの組み合わせることにより、さらにリスクをヘッジすることができます。

定期的な再投資

分配金や利益を再投資して保有株式数を増やすことで、複利効果を活かすアプローチです。

VTは配当を出すことがあり、これらの配当を再投資することで複利の効果を活用し、時間とともに資産の成長を促進できます。

下表はVTの直近の配当の推移です。

権利確定日1株あたりの配当金
2023/12/19$0.8008
2023/9/19$0.4055
2023/6/21$0.6504
2023/3/21$0.2852

世界中の株式市場へ幅広く投資できるVT

VTは、世界中の株式市場へ幅広く投資ができ、また低コストであることから、分散投資や長期投資を重視する投資家には魅力的な選択肢と言えるでしょう。

とはいえ、投資にはリスクが伴いますので、VTに投資する際はご自身の投資目標やリスク許容度、そして投資期間を慎重に考慮することが重要です。

この記事が資産形成のための参考になることを願っています!

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