VTIと言うティッカーでお馴染み、全米株式インデックスETF。
日本でも投資信託として販売されていることをご存知の方も多いと思います。
その双璧と言えるのがSBI・V・全米株式インデックス・ファンド(以下SBI・V・全米株式)と楽天・全米株式インデックス・ファンド(以下楽天・VTI)です。
しかし・・・この二つのファンド、どっちに投資すればいいのでしょうか?
この投資信託に注目している方であれば、おそらくNISA等を利用した積立投資を考えていると思います。
長期投資を考えるなら、どちらがより良いパフォーマンスを残せる可能性が高いのでしょうか。
個人的には「どちらでも良い!」と言うのが結論です。
この記事では、SBI・V・全米株式と楽天・VT投資するならどちらでも良い!を解説したいと思います。
この記事のポイント
- パフォーマンスはほぼ同じです。
- SBI・V・全米株式と楽天・VTI、どちらに投資してもOKだと考えます。
- 全米株式インデックスへの投資は長期積立投資が最適解!
どちらでも良いので、将来のために長い目で粛々と積み立てをする、これが正解だと思います!
(この記事のデータ数値は2024年4月時点のものです)
SBI・V・全米株式と楽天・VTI、どちらでも良い理由
SBI・V・全米株式と楽天・VTIは、どちらも米国株式市場全体の動きに連動するインデックスファンドです。
投資先としてどちらのファンドを選ぶべきかは、以下の点を比較検討すると良いでしょう。
パフォーマンスはほぼ互角です
SBI・V・全米株式 | 楽天・VTI |
---|---|
+20.44% | +20.50% |
上記は2024年4月19日時点での、半年間のパフォーマンスです。
後述する通り、この二つの投資信託の投資先はほぼ同じですので、運用成績は互角といって良いでしょう。
信託報酬は低水準です
SBI・V・全米株式 | 楽天・VTI |
---|---|
0.1338%程度 | 0.162%程度 |
どちらも業界水準よりも低く設定されていますが、SBI・V・全米株式の方がわずかに低くなっています。
長期投資を考える上で、この二つの投資信託の低水準な信託報酬は非常に魅力的です。
純資産総額も十分
SBI・V・全米株式 | 楽天・VTI |
---|---|
399億4100万円 | 1兆4305億6400万円 |
一般的に純資産総額が大きい株やファンドは、流動性が高く、売買しやすいというメリットがあります。
また、時価総額が大きいほど、ファンド自体がなくなってしまうリスクも低いです。
楽天・VTIの方が、SBI・V・全米株式よりも純資産総額が大きいですが、どちらも投資先として十分な額だと言えます。
ベンチマークは同じ
SBI・V・全米株式、楽天・VTIともに、CRSP US トータル・マーケット・インデックス(円換算ベース)をベンチマークとして採用しています。
そして、この指数の動きに連動するようなパフォーマンスを目指しています。
CRSP USトータル・マーケット・インデックスは、米国株式市場の大型株から中・小型株までを網羅し、米国市場で投資可能な銘柄のほぼ100%をカバーした時価総額加重平均型の株価指数です。
なお、「CRSP USトータル・マーケット・インデックス(円換算ベース)」は、委託会社がCRSP USトータル・マーケット・インデックスに日々の為替レートを乗じて算出したものです。
投資対象も同じくVTI
SBI・V・全米株式 | 楽天・VTI |
---|---|
VTI 99.5% | VTI 98.8% |
現金等 0.5% | 短期金融資産、その他 1.2% |
– | 株式先物 1.2% |
実はSBI・V・全米株式、楽天・VTIともに、投資対象のほとんどは米バンガード社のETF「VTI」です。
つまり、この二つの投資信託、どちらを買ってもVTIに投資しているということになります。
VTIは、CRSP US トータル・マーケット・インデックスをベンチマークとして採用、米国市場の大型株から中・小型株まで約4,000銘柄を組み入れ、米国の長期的な成長を期待するETFです。
信託報酬も低く、米国で最も取引量が多いETFの一つで、流動性も高い銘柄です。
言い換えれば、SBI・V・全米株式や楽天・VTIを買えば、米国の株式市場丸ごとに投資できるというわけです。
SBI・V・全米株式と楽天・VTIの異なる点
楽天・VTIは先物取引を利用している
SBI・V・全米株式と楽天・VTIの大きな違い、それは後者が先物取引を利用していることです。
その理由を説明します。
楽天・VTIは、投資家から多額の解約に備え、短期金融資産を組み入れています。
しかし、短期金融資産を持っていることでわずかながらもVTIへの投資比率が落ちてしまい、パフォーマンスが毀損されてしまう可能性があります。
そこで、調整弁として楽天・VTIでは、先物取引(S&P500株価指数先物)を利用しているというわけです。
それによって、資金の流動性を保ちつつ、株式への実質的な投資比率を100%に近づけて、指数と連動したパフォーマンスを担保しているのです。
対してSBI・V・全米株式はこういった調整方法をとっておらず、ほぼ100%をVTIに投資しています。
この点が両者の大きな違いの一つと言えるでしょう。
販売金融機関が異なる
販売金融機関の数も両者の違いと言えそうです。
お使いの証券会社によっては、どちらかが購入できない可能性もありますので、チェックが必要です。
NISA、iDeCo(イデコ)への対応
SBI・V・全米株式、楽天・VTIともに、新NISA枠を使って購入することができます。
また楽天・VTIはiDeCo(イデコ)に対応しています。
SBI・V・全米株式と楽天・VTIどちらも良いです
SBI・V・全米株式と楽天・VTI、パフォーマンスではどちらも変わりません。
信託報酬はわずかながら、SBI・V・全米株式の方が有利です。
先物取引を使ってパフォーマンスの調整をするなど、楽天・VTIの方がアグレッシブな面があります。
販売金融機関の数にも違いがあり、どの証券会社に口座をお持ちかでも条件は変わるでしょう。
以上を考慮すると、「どちらでもよい!」というのが個人的な結論です。
そして、全米株式インデックスに投資する際に何より大切なことは、「長期で定期的に積み立てる」ことです。
そもそも、この両者が投資先にしているバンガード社の「VTI」自体が、将来への資産形成のための長期投資を目的に設計されたETFなのです。
この二つの投資信託の信託報酬が低いのもそのためです。
SBI・V・全米株式と楽天・VTI、どちらでも良いので、将来のために長い目で粛々と積み立てをする、これが正解だと思います。
口座を持っている証券会社にSBI・V・全米株式と楽天・VTIがないという方は、新たに証券口座を開くのもアリだと思います。ぜひこちらの記事を参考にしてください。
また、本家「VTI」について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。