「アメリカの株に投資をしてみたいけれど、どの銘柄を選んだらいいか分からない」
「個別の株を買うのはリスクが高すぎるし、手間もかかりそう・・・」
そう感じている方も多いのではないでしょうか。
確かに個別銘柄への投資はプロの投資家でさえ非常に難しく、リスクも高いです。
しかし、株式投資そのものに興味と関心はあるしやってみたい!という方も多いはず。
そんな方への選択肢として、ETF(上場投資信託)への投資がおすすめできるかと思います。
ETFとはテーマに沿った個別株銘柄がいろいろ入っているバスケット、そのバスケットが上場されている、簡単に言うとそんなイメージです。
そんなETFの中でも、VOOやVTIとともに人気があるのが、VYM(Vanguard High Dividend Yield ETF)という米国高配当株ETFです。
それでは早速VYMについて解説していきましょう。
(この記事のデータは2024年6月時点のものです)
VYMの人気の秘密
- 約550銘柄に分散投資されているので、リスクが分散される。
- 高配当株なので安定した配当収入が期待できる。
- 運用コストが年率0.06%と、低水準。
VYMは、米国の優良な高配当株である556銘柄に分散投資しています。
運用はもちろんプロにおまかせ(バンガード社)です。
つまり、個人で1株ずつ購入するのは難しい大手優良企業の株式にも、VYMを買うことで投資できてしまうのです。
そして何より、高配当株なので、安定した配当収入も期待できます。
さらに、バンガード社のインデックスファンドの例に漏れず、運用コストが低いのも特徴。
長期投資で資産形成したい方には魅力的な水準です。
このようにVYMは、投資初心者からベテラン投資家まで手軽に米国株に投資できる上、分散投資によるリスク低減と配当収入を長期にわたって確保することが期待できるETFなのです。
VYMのデメリット
一見いいことづくめに見えるVYMですが、弱点もあります。
- 業績の良し悪しに関わらず株価の上値が重い。
- ホールド期間によっては個別株より劣るリターンの可能性がある。
- 景気後退時のリスク
- 配当株への過度な集中によるリスク
VYMは高配当銘柄に特化して投資するETFです。
高配当株は業績の良し悪しに関わらず、業績が好調な成長株のようなキャピタルゲインは期待できません。
また、長期的に見れば個別株よりもリスクは抑えられますが、短期的には個別の成長株を上回るようなリターンが得られない場合があります。
さらには景気後退期には配当削減に踏み切る可能性もあります。
それが嫌気され、基準価格が下落してしまうことも十分考えられます。
また、高配当銘柄はセクターが偏る傾向にあります(公益、金融、生活必需品など)。
そのため、それらのセクターに問題が生じた場合は、VYMのパフォーマンス全体に影響が出る場合もあります。
しかし株価の面で言えば、高配当銘柄は成長株に比べ株価が大崩れはしないという性格もあります。
つまりVYMは、まずは配当収入をしっかり確保し、さらにはマイルドなキャピタルゲインにも期待する、そういう性格のETFだと言えます。
VYMのメリットはは配当再投資とマイルドなキャピタルゲイン
VYMの利回りと、トータルリターンを確認してみましょう。
まずは分配金(配当金)の利回りです。
基準価格分配金利回り(%) | |
---|---|
2023年 | 3.41 |
2022年 | 3.02 |
2021年 | 3.69 |
2020年 | 3.49 |
2019年 | 3.92 |
次にVYMのトータルリターンです。
市場価格トータルリターン | 基準価格トータルリターン | |
---|---|---|
1年 | 22.11% | 22.05% |
3年 | 7.19% | 7.17% |
5年 | 11.23% | 11.22% |
10年 | 9.62% | 9.61% |
設定来(2006/11) | 8.39% | 8.38% |
一時的に下落はあるものの、長期では十分なリターンを上げていることがわかります。
VYMはリスクを抑えつつ、配当をしっかりともらい、それを再投資していくことで、着実に資産を増やすことを狙うETFと言えます。
VYMの主な組入れ銘柄は「おなじみの優良株」ばかり
VYMの組入銘柄のうち、上位10社を挙げてみましょう。
銘柄 | 組入の割合(%) | セクター |
---|---|---|
JPモルガン・チェース | 3.53 | 金融 |
ブロードコム | 3.45 | 情報技術 |
エクソン・モービル | 3.21 | エネルギー |
プロクター&ギャンブル | 2.34 | 一般消費財 |
ジョンソン&ジョンソン | 2.13 | ヘルスケア |
ホーム・デポ | 2.02 | 一般消費財 |
メルク | 1.92 | ヘルスケア |
アッヴィ | 1.72 | ヘルスケア |
ウォルマート | 1.7 | 生活必需品 |
バンク・オブ・アメリカ | 1.66 | 金融 |
VYMに組み入れられている主な銘柄は、JPモルガン、エクソン・モービル、ホームデポ、プロクター&ギャンブル、ジョンソン&ジョンソンなど、おなじみの人気優良株ばかり。
つまり、VYMに投資することで、個別株投資を躊躇してしまう個人の投資家でも、一流企業に分散投資できてしまうというわけです。
VYMで無理なくコツコツと資産形成
このように、VYMは投資初心者からベテランまで、リスクを抑えながら、長期にわたってコツコツと資産形成をしたいという方に魅力的なETF、と言えるでしょう。
個別株への投資は心理的ハードルが高すぎる、でも株式投資そのものに興味がある、という方はぜひVYMをチェックしてみてください。
また日本の投資信託でも、VYM投資ができるSBI・Vシリーズがあり、こちらの記事で解説していますのでぜひ読んでみてください。
また、投資に興味はあるけれど、口座開設はまだ・・・という方はぜひこちらの記事で、主要ネット証券についてもチェックしてみてください!