「今から投資なんて遅くないだろうか?」
そんなふうに感じたとき、これなら自分にもできるかも・・・と思える方法を知って安心したのが、ドルコスト平均法でした。
派手さはない。
でも、少しずつ、静かに、着実に。
この方法を知ってから、投資は「生活のリズムに寄り添うもの」なんじゃないかと考えるようになりました。
ドルコスト平均法とは?
投資は勝ち負けの世界、って思ってしまうところがあるけれど、でも、本当に大切なのは「続けること」ではないでしょうか。
そこでドルコスト平均法。
ドルコスト平均法とは簡単に言うと、定期的に、同じ金額を投資する方法です(定時定額)。
たとえば毎月1日に1万円、例えば全世界株式インデックスETFを買うと決めたとします。
当然ETFの価格は日によって上下するもの。
時にはガクンと下がる時もあるでしょう。
しかし定時定額で買い続けた結果・・・
- 安いときは多く買える。
- 高いときは少なく買う。
この繰り返しを長期にわたって行うことで、購入単価が平準化される。
つまり、リスクをやわらげることができる、という仕組みです。
実感している4つのメリット
① 感情に振り回されない
投資は感情との戦いです。
そしてこの「感情」が投資判断を誤らせてしまうということが、往々にしてあるものです。
「下がってるから怖い・・・買いたくない・・・買えない・・・」
「上がってる・・・!乗り遅れたくない・・・!・・・いつもの2倍買っちゃえ!!」
積立設定をしておけばこのような感情のブレが襲ってきても、機械的に粛々と買い続けられるのです。
② 少額から始められる
ネット証券を使えば、投資信託は100円から積み立て可能。
人気の「オルカン(全世界株)」や「S&P500」も、少額から、自分のペースで、気負わずスタートできます。
③ 定時定額で買う、という「良い習慣」が効く
資産形成で大切なことは「続けること」。
自分のペースで、静かに。
この「良い習慣」が、20年後、30年後に「自由な時間」をもたらしてくれるのではないでしょうか。
ちなみに、僕は「毎日積立」派です。
ネット証券に給料日にまとめて入金して、あとは毎日積立設定にして自動で買い続ける。
最初は気になって頻繁にチャートを見ていたけれど、今は「あ、今日も静かに積み立ててるな」と思うだけです。
積み立てって、「投資」というより歯磨きとかに近い感覚かもしれません。
もちろん、気をつけたいこともある
市場は常に伸び続けているものとは限らない
経済、市場は生き物です。良い時も悪い時もあります。
市場が右肩下がりの時は、たとえオルカンに積立投資をしていても当然影響を受けます。
手数料はじわじわ効いてくる
額が少額でも長期で積み立てるとなれば、手数料や経費率の差がじわじわと効いてきます。
積立する商品を選ぶ際に、手数料や経費が低い銘柄を選択することは思いのほか大切です。
短期利益は狙えない
ドルコスト平均法は「時間を味方にする投資方法」です。
「今週中に5万円増やしたい」という人には向きません。
ドルコスト平均法は、「未来の余裕」をゆっくり育てるためのものです。
マーケットがギクシャクした時、どうする?
20代・30代はどうする?
資産形成には「時間」が最大の強み。
ちょっとやそっとの相場のあやは、時間が解決してくれます。
つまり、挽回できるチャンスがあるということ。
分散が効いたVTIやVTのようなETF、もしくは類似の投資信託に、自分のペースで粛々と積み立てましょう。
まだ証券口座を持っていない方は、「積立投資の第一歩」を踏み出すために、信頼できるネット証券もチェックしてみてください。
▶︎SBI証券→外国株の取り扱いが豊富。積み立て設定に「毎日」あるのも僕にはポイント。
▶︎楽天証券→「楽天経済圏」の方は親しみやすいかも。もちろん投資信託の取り扱いも豊富です。
リタイアが近い人はどうすれば?
ドルコスト平均法は長期的な成長を味方につける投資法ですが、もしあなたが5年〜10年以内にリタイアを考えているなら、少し戦略を変える必要があるかもしれません。
積み立てた資産を取り崩す時期と、市場の下落が重なると大きな痛手になりかねないからです。
そんなときは、次のような工夫が効果的かもしれません。
- 株式だけでなく、債券や現金、金などの「守りの資産」を組み合わせる
- 積立額を少し抑えて、手元の現金比率を上げておく
つまり、「攻めながらも守る」という柔軟さが、リタイア前後ではカギになります。
積立は「忘れるくらい」がちょうどいい

ドルコスト平均法は、焦らず・慌てず・感情に流されずに投資を続けるための、静かで確かな味方です。
投資の軸ができ、地味ではあるけれどヒタヒタと育っていく様子は、生活や気持ちにも少しずつ余裕をもたらしてくれます。
「未来に静かに期待できる」という感覚。
それこそが、積立投資のいちばんの効能かもしれません。
派手さはなくても、意味のある一歩。
静かに、でも確実に。
「未来をちょっとラクにしたい」
そんな人に、ドルコスト平均法はきっと味方になってくれるはずです。