短い週末の休みを取り、富山県へとドライブしてきました。
まず目指すは黒部峡谷。
朝早く関東を出発、まずは黒部を目指し、その日は富山市周辺で一泊、翌日立山の称名滝を巡りつつ、日本海を背にして帰路に着くという少々無茶振りの弾丸ツアーです。
ところで、一人旅か、それとも誰かと一緒に旅をするかは、どちらがいいか悪いか、はたまたメリット、デメリットどちらが多いか、といった相対的なものではなく、それは異なる旅の種類だ、と思います。
とはいえ、僕の旅はほとんどが一人。
そして今回も一人、セブンイレブンの百円コーヒー(濃いめ)を片手に、黙々と運転運転また運転。
運転が、ほとんど旅の目的と言っても良いかもしれません。
黒部峡谷トロッコ電車

一泊二日の旅程、まずは早朝に関東を出発、関越道〜上信越道で黒部へと向かいます。
目的は黒部峡谷トロッコ電車に乗ることでした。
黒部峡谷トロッコ鉄道とは、富山県黒部市の宇奈月駅を始発として、終点欅平駅までを片道約80分で結ぶ観光列車。
もともとは発電所建設の資材運搬用に造られた鉄道でしたが、沿線の絶景が話題を呼び(黒部峡谷は日本でもっとも深く、もっとも大きな峡谷)、観光列車に生まれ変わったそうです。
「絶景」と言われるだけあり、想像以上にその景色は素晴らしいもので、人間を突き放すように剥き出しになった山肌を見ていると、逆に何か喫緊の課題を突きつけられている、そんな印象を受けるのでした。
その絶景と共に僕の印象に強く残ったのが、その環境の中で働く人々です。
片道80分の道中、何度か作業者の皆さんを乗せた専用車両とすれ違います。
また、線路の保守作業を行っていると思しき方々も見かけました。
(線路脇でにこやかに手を振ってくれます)
この厳しい環境の中で日夜作業をしていることを想像すると、ただただ頭が下がる思いがするばかりでした。
そうそう、道中の車内アナウンスは室井滋さんがナレーションを務めます。これが非常に楽しい。
称名滝

宇奈月温泉でのんびり泊まりたいところでしたが、その日は富山市内に宿泊。
お風呂は温泉、ささやかな朝食付きでこの値段!という感じの非常に好感の持てるホテル(ビジネスホテル)でした。
ちなみに僕が宿を取るときに当てにしているのが、今や旅行サイトの老舗となった「じゃらん」。
割引クーポンが出たり、ポイントもついたり、検索するにも使い勝手が良く重宝しています。
さて翌日、言い換えればこのツアーの最終日、称名滝を目指しました。
称名滝(しょうみょうだきと読みます)は、立山連峰を源流とする滝で、その落差は350mで日本一。
僕はこの称名滝を観て、自分の中の「滝」という概念が見事に壊れたというか、再構築したというか。
とにかく、神々しいまでに迫力があり「これぞ滝!」「これが滝の基本形!」と言いたくなる名滝なのです。
そして黒部峡谷と同様、のっぴきならない剥き出しになった自然の風景に心が引き締まる思いがしたのでした。
復路は国道148号経由

帰りのルートは新潟県糸魚川から国道148号線を経由し、長野ICから上信越道に乗るというルート。
糸魚川の西端にあるのが親不知です。
日本海に沿って国道8号線を走っていくと、いつしか道は断崖絶壁を縫っていくことになります。
この断崖絶壁と日本海の間に見えてくるのが親不知。
ここでも自然界の厳しい事情が、人間を圧倒してきます。
しかしこの人間を寄せ付けない緊張感が、ひりひりと美しいのです。
ところで今回訪れた3箇所はいずれも「ジオパーク」という名で親しまれてもいます。
日本ジオパークネットワークのウェブサイトによるとジオパークとは、「地球科学的意義のあるサイトや景観が保護、教育、持続可能な開発のすべてを含んだ総合的な考え方によって管理された、1つにまとまったエリア」とのこと。
これまでにも洞爺湖、男鹿半島、伊豆半島等々ジオパークを訪れたことがありますが、今回も含めどこも自然が「剥き出し」になった姿が非常に魅力的です。
ジオパークな旅、オススメです!