株式投資の旅に出ると、どうしてもアメリカや日本といった馴染みのある市場に偏りがちだ。
でも、世界はもっと広い。
思いがけない「静かな優等生」が存在する。
ドイツもそのひとつだ。
EWGとは?
EWG(iShares MSCI Germany ETF)は、ドイツの主要株式に投資する米国上場ETF。
MSCI Germany Indexに連動しており、ドイツを代表する約55銘柄(2025年6月時点)に分散投資している。
組入銘柄には、シーメンス、SAP、アリアンツ、BMW、バイエルといった、世界的に知られる企業が名を連ねる。
運用会社はブラックロック。
経費率は0.5%と、米国ETFの中ではやや高めだが、ヨーロッパ単独国に分散投資できるETFとしては妥当な水準。
2025年、ドイツはどう変わる?
ところで2025年は、ドイツにとって重要な転機の年となりそうだ。
3月には、財政規律を緩和するための憲法改正が成立し、連邦政府がより積極的な財政出動を行えるようになった。
背景にはインフラの老朽化、エネルギー転換、AI、脱炭素関連の産業投資ニーズ、そして地政学による防衛問題がある。
これらに投資することにより、内需を刺激し、国内企業の利益成長につながると期待されている。
加えて、DAX指数(ドイツ株式市場の代表指数)は近年大きく構成が見直され、テクノロジー企業や新興のグリーン産業の比率が上昇。
輸出依存から内需と構造改革への移行が進みつつある今、ドイツ市場はかつての「製造業大国」のイメージを超え、新たな顔を見せ始めている。
EWGはこんな人におすすめ
米国株のPERが26倍という高水準に達し、加えて関税や債務上限といった政治リスクがマーケットをざわつかせている2025年。
そんな中で、ドイツ株という地味だけれど堅実な選択肢に目を向ける価値は十分にある。
- 「アメリカ一辺倒ではちょっと不安」と感じている人
- 「ヨーロッパや他の国にも分散したいけど、どこから始めれば?」という人
- 「製造業や再エネ関連企業に中長期で期待したい」人
そんな投資家にとって、EWGはドイツという「世界第4位の経済大国」の動きを、手軽にポートフォリオに組み込める手段になる。

EWG、メリットとリスク
メリット
- 米国依存から抜け出し分散投資できる
- ドイツ経済の復興・脱炭素化・内需拡大という新潮流に乗れる
- 日本円ではなく米ドルで取引できるので、為替分散にもつながる
リスク
- 経費率がやや高め(0.5%。VOOやVTIに比べると高い)
- 組み入れ銘柄数が少なく、一部の大型株の影響が大きい
- ドイツ経済特有の政治的・地政学的リスクを受けやすい(例:対ロ制裁、エネルギー価格)
- 為替リスク(ドル安懸念)

EWGを買うには?
EWGは米国ETFなので、SBI証券や楽天証券といったネット証券で簡単に買えます。
もちろん、僕もそうしています。
管理画面は慣れが必要だけど、海外ETFの取り扱いや為替コストがわかりやすく、初心者にもおすすめ。
口座開設がまだの方は、早めに準備しておくと後々スムーズです。
EWGでドイツと静かに並走する

投資というのは、未来へのまなざしでもある。
ドイツは今、経済構造も、政治も、転換期にある。
短期で大きなリターンを狙う銘柄ではないかもしれない。
でも、着実に地力を積み上げていく姿勢に、どこか共感できる人も多いはずだ。
EWGは、そんなドイツにそっと寄り添いながら歩んでいくためのETF。
未来のポートフォリオに、ひとつ静かな力を加えてみるのはどうだろう。